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時期がずれますが

2013年01月25日太宰 順一弁護士

時期外れの話で恐縮ですが、我が家では毎年正月に並ぶ料理があります。スルメと人参の料理です。作り方はスルメと人参(和人参が望ましい)を細く切ります。醤油と酒を合わせて鍋で沸かしてたれを作ります。人参、するめをそのたれに漬け込みます。漬け込んでからすぐに食べることができます。

物心ついたころから、それがありました。子供のころはどこの家でも食べられているだろうと思っていました。しかし、旧下保原村、現福島県伊達市保原の郷土料理でした。

私は、福島県生まれでも育ちでもありません。しかし、我が家自体は旧下保原村の出です。明治生まれの祖父の代までそこに住んでいました。伝承では、南北朝のころからその界隈にいたそうです。家の出身地の影響で、今でも正月にそこの郷土料理が出てくるのです。

この料理の特徴は、スルメと人参しか入らないことです。昆布が入ると松前漬になって、旧下保原村の郷土料理ではなくなります。スルメと人参しか入っていないために、素朴な味わいになります。スルメがたれを吸って柔らかくなります。人参はしゃきしゃきです。日本酒とよく合います。
 


スルメと人参の郷土料理

私は、転々とする生活を送っていて、故郷と呼べるものがありません。自分の事務所のホームページには、一応出身地は載せていますが、出生地と言うべきもので、故郷ではありません。よく出身地をきかれるのですが、単に生まれただけの土地、数年だけ住んでいた土地しか私にはなく、答えに窮します。

私は、土地とのつながりというものが基本的に感じられないのです。しかし、正月のあの料理を食べるとき、私にもつながった土地があることを再認識します。

 


伊達市保原文化歴史資料館にある「旧亀岡邸」
2009.7.14撮影

こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です

 
 
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