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フライング・シャトル ~Flying Shuttle/Fly Shuttle~

2015年07月03日中道 徹弁護士

写真

飛び杼 Wikipediaより

By Shuttle_with_bobin.jpg: Audriusa derivative work: ClemRutter (Shuttle_with_bobin.jpg) [CC-BY-SA-3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/), GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) or GPL (http://www.gnu.org/licenses/gpl.html)], via Wikimedia Commons

 

フライング・シャトルは,我が国では「飛び杼(とびひ)」等と訳されている織物に関連する道具です。1733年,英国ランカシャーの時計師ジョン・ケイが発明しました。従来の杼に簡単なしかし重要な改良がなされたため,「杼が弾機で叩かれて経糸の間を駈け抜けるようにな(り)」(後掲「産業革命」44頁),労働力節約に大変貢献しました。実際,以前は2人の織工を要した幅の広い布を1人で織れるようになりました。

しかし,フライング・シャトルが広く浸透するまでには30~40年かかっています。これは,技術的難点の克服に時間を要しただけでなく,失職を恐れた織工の反発にあったためです。一説によると,ジョン・ケイがイギリスからフランスに渡ったのは,職人たちが家に侵入し身の危険を感じた為と言われています。

このように,発明や制度の改変が業界や人々の人生を左右することは歴史上少なくありません(なお,産業革命と言われた事象の評価については近時諸説あります)。いずれにせよ,いつの世でも常に万事快調というのは難しいようです。

ところで,折々報道もされていますが,現在我々の業界も激変しており,近視眼的になると,思惑通りにいってないと感じさせられることがないわけではありません。さすがに他人の邸宅に侵入したという話は聞きませんが,業界人の動向を見ると以前より余裕のなさを感じさせられることが少なくありません。

そんなときこそ歴史を振り返り,先人の狼狽ぶりを遠い目で眺めるのは悪いことではありません(我が国の明治初期も同様に参考になりそうです)。 そうした息抜きともいえる時間を持つことで,法律という織り糸の間を今どんなフライング・シャトルが駈け抜けているのか,見極められるかもしれないからです。

【参考にした文献】
・T.S.アシュトン「産業革命」岩波文庫・昭和48年12月10日
・S.D.チャップマン「産業革命のなかの綿工業」晃洋書房・1990年5月10日
・川北稔「イギリス繁栄のあとさき」講談社学術文庫・2014年3月10日
・眞淳平「人類の歴史を変えた8つのできことⅡ 民主主義・報道機関・産業革命・原子爆弾編」岩波ジュニア新書・2012年5月22日
・その他,Wikipediaなど

 

執筆者情報

弁護士名 中道 徹 写真
事務所名 AE海老名・綾瀬法律事務所
事務所住所 海老名市中央1-8-3 えびすビル松本4階
TEL 046-205-3780
FAX 046-205-3788
ホームページ http://www.ebiaya.com/
 

 
 
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