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シンガポールの最高裁判所にて

2016年08月25日本田 正男弁護士

2015年10月に岡山で開催された日弁連の弁護士業務改革シンポジウムの第8分科会において,日本における電子裁判の展開の可能性を探りました(当日のハイライトであったパネルディスカッション部分は,反訳録が日弁連のホームページにも掲載されていますので,ご興味のあります方は,第19回弁護士業務改革シンポジウム反訳録 第8分科会をご参照ください。)。

そして,このシンポジウムの下調べとして,私も委員となっている日弁連業務改革委員会のITPTでは,ドイツを中心としたEU圏の電子契約の実情について調査を行った他,米国,韓国など先行する電子裁判実施国の調査を行いました。特に,今回のシンポジウムに向けては,シンガポールで新しいシステムが導入されたことを受けて,調査団を組み4月8日から実際にシンガポールに赴き,シンガポール弁護士会,最高裁判所などを訪問して調査を行いました(私自身は,2008年に日弁連のコンピュータ委員会で行った調査以来の2度目のシンガポールの最高裁訪問となりました。

日本弁護士連合会コンピュータ委員会 シンガポール調査報告書

写真1
写真2
 

掲載の写真のうち,モダンな建物の方が現在の最高裁判所で,夜景の重厚な感じのする写真の方が以前に訪問した際に訪れた旧最高裁の建物になります(こちらは,現在はアジア最大級の美術館として観光名所のひとつになっているそうです。)。今回の調査の詳細は,上記シンポジウムに報告書として提出したところに譲りますが,やはり,国家戦略として司法制度を国際競争社会を生き抜く切り札と位置付けているような国は,日本のように,司法予算が3131億円ばかりで,国家予算全体の0.3%程,それも年々低下の一途を辿っているような国とは,比べものならない充実ぶりでした(SUPREME COURT)。最高裁の担当者に対するヒアリングでも,文書管理の人件費を他に回せたり,ケース管理の手間暇を浮かすことができるなどといった裁判の電子化の効果に対する確かな手応えと自信が溢れており,今や完全にガラパゴスとなった感のある日本の旧態依然たる裁判システムの姿が浮き彫りになったように感じられました。

P.S. ちなみに,シンガポールでは,最高裁に限らず,公的な場所での無線LANの充実ぶりにも目を見張るものがありました。最高裁のヒアリング中後半わたしが急に無口になったので寝ているのかと思ったと訪問団の仲間から後で言われたのですが,実は,ちょうど,その時間日本でApple Watch が発売された時間で,一刻を争っていたので最高裁の公衆無線LANを使って急ぎ注文をかけていたのです。

執筆者情報

弁護士名 本田 正男
事務所名 川崎総合法律事務所
事務所住所 川崎市川崎区榎町1番1号 川崎センタービル6階
TEL 044-211-7878
FAX 044-211-7877
メール m.honda@kawasakisougou.com
Webサイト http://www.kawasakisougou.com/

 

 
 
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