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限定承認とは?

2026年10月14日更新相続

父が亡くなり、四十九日を済ませたところで、家族で相続の話し合いをしています。父の遺産は実家といくらかの預貯金ですが、父はかつて商売をしていたため、借金や保証がないか不安になり、母に聞きましたがよく知らないそうです。限定承認という方法があると聞きましたが、使えるでしょうか?

 相続の限定承認とは、被相続人(亡くなった方)の財産の限度で債務を引き継ぐというものです(民法922条)。質問者様も調べられたように、一見、相続人が自己負担なく遺産を残せる便利な制度のように思えますが、いくつか特有の注意点があります。

 ・相続人全員による申述
 限定承認は、相続放棄と異なり、相続人全員が共同してする必要があります(民法923条)。
・相続財産を売却する場合の競売の原則
 相続債務の弁済のため相続財産を売却するときは、競売に付さなければならないと定められています(民法932条)。
 質問者様の場合、もし、お父様に多額の債務が見つかってしまい、ご実家を売却する必要を生じた場合、原則として、裁判所に競売の申立てをしなければならなくなります。
・みなし譲渡による準確定申告、納税
 限定承認をすると、被相続人の財産につき、相続時にその財産を譲渡(売却)したものとみなされます(所得税法59条1項1号)。このみなし譲渡に関しては、相続人が、4か月以内に確定申告をし、納税を完了する必要があります(所得税法125条1項)。
 質問者様の場合、お父様が亡くなった時にご実家を売却したものとして、不動産の譲渡所得税の申告、納税を行う必要を生じます。

 これらの問題点からか、限定承認は、司法統計によると令和7年の受理件数637件(相続放棄は323,524件)と、広く利用されているとはいえないものの、活用すべき場合もあります。
 3か月の相続の熟慮期間(民法915条)との関係もあるので、お早めに弁護士に相談されることをおすすめします。

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回答者情報

弁護士名 織裳 剛史
事務所名 織裳法律事務所
事務所住所 横浜市中区北仲通1-6 ヒタチビル3階
TEL 045-662-7038

 

こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です

 
 
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