2025年11月04日更新
当会の会員であった坂本堤弁護士は、1989年11月4日、自宅で就寝中のところをオウム真理教の教団幹部らに襲われ、妻及び当時1歳の長男とともに、理不尽にも命を奪われました。3人のご遺体は、教団によって新潟、富山、長野各県の山中に別々に埋められ、6年後の1995年9月になってようやく発見されました。
坂本弁護士は、オウム真理教の被害者らの救済活動に熱心に取り組んでおりましたが、その活動を脅威と感じた教団が一家を殺害するという凶行に及んだものであり、弁護士に対する史上最悪の業務妨害行為だったと言わざるを得ません。
弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とするところ(弁護士法第1条)、その活動に対する業務妨害は、弁護士の果たすべき使命を不当に蹂躙するものであり、すなわち、市民の人権を侵害し、社会の正義を破壊するものに他なりません。我々は、そのような業務妨害行為を決して許すことはできません。
当会は、坂本弁護士一家がまだ行方不明中だった1993年7月、弁護士業務妨害対策委員会を設立し、弁護士に対する業務妨害への対策に取り組み始めました。また、1996年6月には、日本弁護士連合会に弁護士業務妨害対策委員会が設置され、その後2016年までに全国全ての弁護士会で同様の委員会が設置され、弁護士が一致団結して取り組みを行う体制が整えられました。我々は、弁護士業務妨害対策の原点である坂本弁護士一家殺害事件を決して忘れることなく、弁護士に対する業務妨害に立ち向かっていく必要があります。
本年は、坂本弁護士一家のご遺体発見から30年となる節目の年であり、また、本日は、一家3人の命日に当たります。
当会は、3人のご冥福を心よりお祈りするとともに、今後とも、弁護士に対する業務妨害行為を許すことなく、我々の使命である基本人権の擁護と社会正義の実現のために力を尽くしていくことを、ここに改めて決意する次第です。
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