横浜弁護士会新聞

2006年10月号  −1− 目次

新しい刑事弁護に向け当会の態勢定まる
 8月30日、当会会館大会議室において臨時総会が開催された。
 議案は3件あり、1号議案は支援センター開設及び刑事訴訟法改正に伴う、刑事弁護人等の選任に関するもの、2号議案は選挙管理委員会の増員に関するもの、3号議案は弁護士法人に関するものであった。いずれも議案どおりに可決された。
 総会終了後、当会及び日本弁護士連合会の会務報告がなされた。
開 会
 木村会長の開会の宣言で始まり、続いて臨時総会議長に高橋理一郎会員、副議長に橋本吉行会員が指名された。
第一号 議案
 「横浜弁護士会刑事弁護人等の推薦等に関する会規制定」
 大島副会長より議案説明がなされた。10月1日から日本司法支援センター(以下「支援センター」)が国選弁護関連業務を行うこととなり、さらに、改正刑事訴訟法に基づき、同日から、被疑者国選弁護人、私選弁護人紹介、即決裁判という新制度の運用が開始されることとなった。そこで、国選弁護人の選任等について弁護士会の関与が想定されていることや新制度の開始に伴って、刑事弁護人等の選任に関する統合的な会規を制定する必要が生じたものである。
(会規の内容)
 国選弁護人の候補にかかる推薦については、(1)当会が、あらかじめ作成した国選弁護人希望者名簿にもとづき、支援センターに対して国選弁護人の候補者を推薦する。(2)会員は、同名簿に登載され、同推薦を受けなければ国選弁護人となることができない。(3)同推薦は、同名簿に基づいて日時別等に予定表を作成して公正に行われる、とされている。
 私選弁護人の紹介については、(1)当会が、刑訴法31条の2所定の弁護人選任の申し出を受けた場合、あらかじめ作成した私選紹介弁護士名簿にもとづき、私選弁護士を紹介する。(2)同推薦は、同名簿に基づいて日時別等に予定表を作成し公正に行われる。(3)私選紹介弁護士は、被告人又は被疑者と速やかに接見又は面会し、制度及び手続を説明した上、弁護に必要な措置を講じる。以下、当番弁護士制度と同様の手続とされている。
 その他、当番弁護士の推薦、事前承認及び推薦停止については、ほぼ従前のとおりである。
 なお、国選弁護報酬から会に対する負担金の制度は設けられなかった。
 本議案に対する質問として、小野毅会員から、支援センターの位置づけに関する理事者のスタンスが問われた。大島副会長から、必ずしも消極的に位置づけているというわけではなく、国選弁護や扶助事件の担い手として評価し、適度な緊張関係を保つというスタンスである旨回答がなされた。
 続いて、健一会員から、会規2条1号の「被疑者等」の定義に関して、家裁送致前の児童相談所の段階である14歳未満の触法少年が含まれるのか、他の条文を解釈することによって肯定の解釈が可能であるが、念のため確認したい旨の質問がなされたのに対して、大島副会長から、含まれるとの回答がなされた。
 この議案に対する意見はなく、圧倒的多数の賛成で可決された。
第二号 議案
「横浜弁護士会選挙規程一部改正」
 延命副会長より議案説明がなされた。従来、当会の選挙管理委員会の定員は9名であったが、昨年度の副会長選挙において再選挙が実施された際に、定足数に達せず委員会が開けないという事態が発生したことから、定員を12名に増員するというものである。
 この議案については、特に質問も意見も出されず、圧倒的多数の賛成で可決された。
第三案 議案
「横浜弁護士会弁護士法人会員会規一部改正」
 延命副会長より議案説明がなされた。日弁連の「法律事務所等の名称に関する規程」の制定、新会社法の施行に伴う弁護士法一部改正、新不動産登記法の施行に伴い、弁護士法人会員会規の必要箇所を改正するというものである。
 この議案についても、特に質問も意見も出されず、全会一致で可決された。
会務の報告
 議案の審議の後、木村会長から弁護士会会務の報告がなされた。
 2件の懲戒事案、支援センターのコールセンターの試行などについて報告がなされ、都市型公設事務所の設置や会員サポート窓口の設置についての説明がなされた。
 ついで、木村保夫刑事弁護センター運営委員会委員長から、支援センターとの契約の依頼がなされた。
 また、茂日弁連副会長による日弁連の会務報告がなされた。当会が、日弁連のアンケートの回答率などが全国最下位であることに示されているように、当会が日弁連の活動に対して消極的であるように見えるとのことであった。会員は、とにかく多忙を極め、1か月の内、半分は東京や地方へ行って泊まり込んでいるとのことであった。
 以上のとおり審議・報告が終了し、全体としてスムーズに議事は進行し、理事者も出席会員も安堵の表情であった。

山ゆり
 世界で日本人がどのようなジョークのネタにされているかについての本が売れている、との新聞広告を目にしたミーハーな私は、早速購入した
 これらのジョークは、日本や日本人が世界的にいかなる印象を持たれているかを端的に表すものである。日本や日本人が、いかなる部分でグローバルスタンダードから外れているかが浮き彫りにされ、単純なジョーク集としてだけでなく、知的好奇心をも満足させてくれる
 この本の章の表題にもなっているが、日本と言えば、ハイテク、金持ち、勤勉さが代表的なイメージらしい。もっとも「金持ち」については、バブル期はともかく現状では、個人的には異論がある。しかしながらグローバルスタンダードからすれば、否定できない事実であろう
 他に日本人のイメージとして、時間に正確ということがよく言われ、この本でも取り上げられている。以前NHKの番組で見たが、乗り換え時間の余裕が5分しかなくても、ほぼ確実に乗り換えができるのは日本だけらしい
 弁護士をネタにしたジョークなるものも、きっと存在するのだろう。私はすぐには思いつかないが、皆さんはどうだろうか。特殊な職業の1つなので、一般の方からみて奇異に映る点が多々あろう。ただ、日本のスタンダードからあまり外れたくはないものである。
(奥園 龍太郎)

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