横浜弁護士会新聞

2006年10月号  −4− 目次

支部便り
相模原支部 会員 伊藤 信吾
「支援センター非常勤型拠点の設置等について」
 4月から支部長を補佐する幹事長となったが、しばらく会務から遠ざかっていたので、急激な制度改革を追っていくただけで大変な毎日である。最近の支部の動きを報告する。
司法支援センター職員非常勤型拠点の設置
 相模原地域でのアクセスポイントとして、非常勤型拠点が設置される見込みとなり、相模原市役所の法律相談室の一室に、その場所を確保できることとなった。相模原市をはじめ、谷口隆良会員が代表を務める相模原地域司法改革懇話会等の地元関係者の全面的な協力の賜である。
隣接各士業との研修交流会
 相模原支部では、毎年、会員の研修・懇親のために、隣接士業(税理士、司法書士、行政書士等)との研修・懇親会を開催してきた。今年は、建築士との研修・交流会も実施して、建築士を巡る法整備の動き等を耐震偽装問題の背景事情等を含めて解説頂いた。今後、秋には、司法書士会との研修・懇親会で支部長の坪井廣行先生が、法テラスの現況について解説する予定である。
臨時総会
 去る9月26日臨時総会を開催し、各支部と足並みを合わせて、国選事件手数料の徴収を廃止し、新たに支部会費を設けることとなった。その額については4月の総会に諮ることとなった。
支部会員の増加
 また、本年10月には60期の修習生が7名ほど相模原支部会員の事務所に勤務する予定である。相模原支部会員が40名近くになる見込みである。もっとも、管内人口70万人を越えていることを考えるとさらなる増員も望ましいのかもしれない。

公害・環境問題委員会 最北の島を旅する
 日本の最北に位置する利尻と礼文。ロマンかき立てる二つの島に、7月7〜10日、当会公害・環境問題委員会のメンバー10名が赴いた。目的は豊かな自然を体感しつつ、その保護に関わる諸問題を探ることである。
 利尻島と礼文島は、わずか10km足らずの距離で並んで浮かぶが、その個性は全く違う。利尻は標高約1700mの険しい利尻山を中心とする円錐形で、礼文は矢尻のような平たい形。また利尻は広大な原生林に囲まれるが、礼文は森が少なくササ山や草原が目立つ。植物もそれぞれ違う固有種を持っていたりする。もっとも、都会にはない美しい自然を有し、コンブやウニなどの海の幸に恵まれている点では共通である。
 利尻空港に降り立った一行は、その後二班に分かれ、わりと手際よく調査をこなした。利尻町役場でのヒアリングでは、外来種や登山道のオーバーユースの問題が起きていることを聴き、いろいろ深く考えた。船で礼文に渡ってのトレッキングでは、海と断崖が織り成す毅然とした美と、レブンウスユキソウなど可憐な高山性の花々の綾なす清澄な美とに出会い、猛烈に感動した。最北のスコトン岬近くでは、海辺でくつろぐ30頭ほどの野生アザラシに遭遇し、心からの挨拶を交わした。また昼夜の食物調査においては、オレンジ色眩しいウニ丼を口にして、あまりのことに言葉を失い涙が出た。利尻の海水をなめてみたところ、コンブダシが効いて美味しかった(気がした)。
 日常を離れ、美しい自然に触れると、改めてその素晴らしさ、楽しさを感じ、子供たちにも残したいという願いが湧いてくる。と同時に、その脆弱さを認識し、人間の無神経な活動に対して心していかねばという気持ちを強くする。我々は、今回の調査旅行において得た有意義な体験を、また一つの糧としていきたい。
(会員 畑中 隆爾)

法相センターの拡充を 若手弁護士による意見交換会
 7月26日、若手弁護士による意見交換会が、当会会館で開催された。これは、現執行部の3本柱の1つである若手弁護士の育成支援に応える形で、若手協議会事務局が呼びかけ人となって、各委員会、各支部から選出された若手会員が集った。当初の予想を大きく上回る17名の若手会員が集合し、2時間に渡って、意見交換がなされた。
 当日のテーマは、主として、(1)事件のアクセス(2)公益活動、会費等の負担及び(3)その他の要望についてであった。意見の中で特記すべきは、(1)については、若手の大きな事件ソースとなっている法律相談センターの拡充を求める声が多く(2)については、一定期間、若手会員の会費を抑えてもらいたい、あるいは、公益活動の義務化は若手には厳しいという意見が少なくなく、また、(3)については、裁判所図書館の利用について便宜を図るよう、申し入れてもらいたいとか、判例検索システムを会館に備え付けてもらいたいという意見があった。
 さらに、就職活動の早期化により自分達の経験した不便や不安を踏まえて、後輩達のため、受け入れ先事務所の開示・広報を整備してもらいたいという要望もあった。これらを暼見するに、先行きの不安の解消を会に求める声は、現在の若手会員の多くに共通のものであり、この傾向は、今後さらに強まっていくものと考えられた。
 以上の意見交換会の結果は木村会長のもとに、届けられた。
(会員 高岡 俊之)

至誠堂 田中雅雄氏をしのんで
 当会会館地下で書籍販売に従事されていた田中雅雄氏が7月25日に逝去(享年85歳)された。この具体報は本紙(2006年7月号)で知った。同氏は以前に関内の書店にお勤めだったのでお名前ぐらいは聞き知っていた。会館地下に開業となった至誠堂で再会でき昔話や世間話など気楽に交わせるようになったときは、すがすがしく感じたものだった。すばらしいコーナーができて、会館に行くのが楽しみになった。
 働き者だったのは本年も従前どおりで、平積み本を沢山並べたり配達したりと、きびきびとお元気に活動されていた。それから書もお上手だったっけ。時の経つのが早いと顔を合わせては互いに言い合うのが恒例だったが、希代な西暦2千年を踏み越えて現し世を御一緒できたことを嬉しく想っています。
(会員 大鹿 明夫)


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編集後記
 今月から国選弁護関連業務は日本司法支援センターが行なう。本来、国家と対立すべき刑事弁護活動に対する国家の干渉を許すことになるという批判は強い。しかし、始まってしまった以上、弁護士が頑張るしかないと考える人もいる。様々な意見や対立を抱えつつ、新しい制度の船出である。
デスク 安田英二郎   1面担当 両角 幸治   2面担当 奥園龍太郎
      3面担当 澤田 久代   4面担当 長澤 洋征

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