横浜弁護士会新聞

2008年8月号  −1− 目次


関弁連をもっと知ってほしい! 池田忠正関東弁護士会連合会理事長インタビュー
─関弁連理事長就任おめでとうございます。まずは、関弁連といってもなじみの薄い会員もいると思いますので、関弁連の役割を教えてください。
 関弁連は、各単位会と日弁連の中間に位置しており、各単位会の情報を集約し、課題の解決に向けて共同、協調するのが主な役割です。
─具体的に、最近の関弁連の活動例を教えてください。
 5月19日に、管内模擬裁判経験者交流会を開催しました。各単位会で裁判員裁判への対応について試行錯誤している内容を情報交換でき、大変に有意義でした。
─理事長職というのは、具体的にどのようなお仕事なのでしょうか。
 まずは、各委員会を中心とした会議が毎週いくつもあります。私も、委員会の会議には可能な限り参加するようにしています。外に出る機会も多く、6月は管内13の弁護士会すべてを回りました。そのほか、様々な宴会に出席し、挨拶や乾杯をする機会が増えました。
─ご自身の事務所で仕事をする時間もとることができるのでしょうか。
 週3回は霞ヶ関に出てくるのですが、朝だけ事務所にいることが多いです。全体の半分くらいの時間を関弁連に割いているという印象ですが、まとまった仕事はどうしても土日になってしまいます。
─理事長に就任されて、どのようなご感想ですか。
 幸いにも、数年前に関弁連の常務理事、総務委員会の委員長を経験し、職員の皆さんともうち解けています。とても元気に、楽しくやっています!
─今期の抱負を教えて下さい。
 なんといっても、目前に迫った課題としては、裁判員裁判制度と被疑者国選拡大にどのように対応していくかということだと思います。特に、各単位会の支部では対応に苦慮しているようです。恒常的な課題としての弁護士過疎・偏在の解消も含め、今年は「支部の年」と言えると思います。皆様の協力が得られるような雰囲気作りを進めたいと考えています。
─それでは、当会会員へのメッセージをお願いします。
 9月26日には横浜で関弁連定期大会が開催されます。是非、県内全域から多数ご参加下さい。また、「関弁連短信」や「関弁連だより」を通じて、情報をどんどん発信していきます。関弁連と名の付く情報には極力目を通し、関弁連の活動を知って頂ければ幸いです。
─最後になりましたが、理事長に就任しての一句、お願いします。
 それでは、私の好きな風景ですが、この弁護士会館の15階から日比谷公園を見下ろしての一句です。
  ビル群の 谷間に 杜という泉
─本日はお忙しい中、ありがとうございました。
(聞き手 三谷 淳)

関東十県会 50周年を迎え華やかに記念式典
 6月28日、パシフィコ横浜会議センターにて、関東十県会の定時懇談会と50周年記念式典・懇親会が開催された。
 定時懇談会では都市型公設事務所・裁判員制度・被疑者国選制度などについて意見交換が行われ、続けて約200名の参加者を集めて記念式典が華やかにとり行われた。
 
■東京三会に対抗し設立
 記念式典では、235ページにも及ぶ50周年記念誌が配布され、編纂委員会の石黒康仁委員長から報告がなされた(関連記事2面)。
 関東十県会は、東京三弁護士会を除く東京高裁管内の10弁護士会(横浜、埼玉、千葉県、茨城県、栃木県、群馬、静岡県、山梨県、長野県、新潟県)で組織され、各会間の連絡及び会員相互間の協力親睦、司法制度の改善発達及び人権擁護・社会正義の実現、会員研修等に関する事項を行うことを目的としている。
 昭和32年4月13日に横浜市のホテルニューグランドで発会式が行われたが、その設立の背景には、東京三会による日弁連人事の独占に対する不満があったと言われている。
 当時、日弁連の副会長は関弁連より3名、それ以外の高裁管内ブロックから各1名合計10名が選任されていたが、関弁連では東京三会から各1名が選出され、十県の弁護士会には相談もないという状況であった。そのため、「地方会にも日弁連の副会長としての人材がある」「日弁連の会長は東京三会から選出されることが多く、会長を選出した会から更に副会長を選出すべきでない」などの意見が出され、曲折の末、昭和33年度に当会の飛鳥田喜一会員が日弁連副会長となった。
 その後、昭和38年度からは毎年1名、平成14年度からは毎年2名が、十県会から日弁連副会長に選出されることとなった。
 
■日弁連活動の一翼担う
 ただもちろん、十県会は、日弁連役員職の獲得のみを目指すものではなく、日弁連に有為な人材を送り込み、日弁連の会務や委員会活動等の一翼を担うことにこそ存在意義があると考える必要がある。
 この点、来賓の宮?誠日弁連会長の挨拶の中でも、十県会選出の副会長は常勤で日弁連を支える存在になっているという話があった。今年度は、当会から木村良二会員が副会長に選出されており、その活躍が期待されている。
 
■功労者を表彰
 記念式典では、日弁連副会長経験者29名と関弁連理事長経験者4名の表彰が行われ、当会からは、日弁連副会長経験者として山下光会員、須須木永一会員、清水規廣会員、会員、関弁連理事長経験者として稲木俊介会員、小林嗣政会員が表彰を受けた。
 式典後の懇親会では、弦楽器の生演奏が流れる中、北京ダックやローストビーフなどの料理を囲んで、各会会員がお互いの親睦を深め合った。

山ゆり
 「クールビズ」。今年もこの季節がやってきた。私は薄着を好むのでこの制度は大歓迎である。クールビズが導入されて早3年目。今では様々な業界で確実に定着しつつある
 とある企業の調査結果からの推計によると、平成19年度のクールビズによる二酸化炭素削減量は約140万トン(約300万世帯の1か月分のCO2排出量に相当)ということである。また、クールビズファッションとしてノーネクタイでもだらしなく見えないよう専用のワイシャツ等も販売されているという
 我が業界はどうかというと、あまりクールビズファッションにお目にかかることはないように思える。法廷という場所柄のせいなのかもしれない。しかし、法廷内の温度は確実に上昇している。そのためか、先月の公判で、裁判官から暑ければどうぞ上着をお取り下さいと配慮を頂いた 風鈴
 裁判官の夏用法服を半袖にすることで我が業界のクールビズは推進されないか、などとこの原稿を書きながらふと思い付いた。思い付きにしては良い案と思ったのだが、実現されることはあるのだろうか。
(田丸 明子)

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