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会長声明・決議・意見書(2006年度)

死刑執行に関する会長声明

2006年12月27日更新

12月25日、東京拘置所において2名、大阪拘置所において1名、広島拘置所において1名の計4名の死刑確定者に対して死刑が執行された。

今回の死刑執行は2005年9月16日の死刑執行に続くもので、1993年に死刑の執行が再開されて以来の被執行者の数は51名に達している。

日弁連は、2002年11月「死刑制度問題に関する提言」を発表し、死刑制度の改善を行うまでの一定期間、死刑の執行を停止する旨の時限立法の制定を提唱した。そして、2004年10月に開催した第47回人権大会において、「死刑執行停止法の制定、死刑制度に関する情報の公開および死刑問題調査会の設置を求める決議」をし、死刑執行の停止を求めた。
当会も、これまで死刑の執行があったとき、再三、法務大臣に対し、死刑の執行を停止するよう要請してきた。そして、今年2月には横浜において、「被害者支援と死刑問題」をテーマとした公聴会を開催し、死刑と被害者に関するさまざまな問題を取り上げ、冷静に議論することの重要性を確認した。

死刑については、1989年12月の国連総会で死刑廃止条約が採択され、国連人権委員会は1997年4月以降、毎年、日本などの死刑存置国に対し、死刑廃止に向けて死刑の執行を停止するなどを求めている。また、欧州評議会は、2001年6月、日本とアメリカに対し、死刑執行の一時停止を行い早急に死刑制度を廃止するよう促す旨の決議を採択し、2002年6月、日本、韓国、台湾における死刑廃止に関する決議を採択し、早急に死刑を廃止するか、もしくは死刑の執行停止を実現することを要請している。すでに韓国では、1998年以降、死刑執行が停止されており、昨年2月には死刑廃止法案が国会に提出され、審議が進んでいる。

このように、国際社会が死刑廃止に向かう潮流の中で、わが国が、極端な密行主義のもとで、死刑に関する情報をほとんど明らかにしないまま、死刑の執行を繰り返していることは誠に遺憾である。

当会は、法務大臣に対し、今後、国民的議論が尽くされるまでの間、死刑の執行を差し控えるとともに、議論の前提として、死刑制度に関する情報の開示を強く求めるものである。


2006(平成18)年12月26日
横浜弁護士会
会長  木村 良二

 
 
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