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会長声明・決議・意見書(2010年度)

最低賃金の引上げを求める会長声明

2010年07月08日更新

神奈川県の地域別最低賃金は、直ちに生活保護水準を大幅に超えるよう引上げられるべきである。

平成20年7月に施行された改正最低賃金法は、地域別最低賃金を定める際に考慮を要する労働者の生計費について、「労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性」を求めている(9条3項)。

しかし、同年10月25日の改定前の神奈川県の地域別最低賃金(時間給736円)は、生活保護水準の平均月額を時間給換算した額を大幅に下回っており、その乖離額は、全国で最悪の1時間あたり89円にも及んでいた。そこで、神奈川地方最低賃金審議会は、この乖離額を3年程度で解消させるために、神奈川県の最低賃金を乖離額の約3分の1である30円引上げて時間給766円とする答申を行った。ところが、生活保護支給額の上昇により平成21年には乖離額が66円へと再び拡大して引続き全国で最悪となった。それにもかかわらず、同年の神奈川地方最低賃金審議会は、乖離額を平成20年から3年程度で解消させるという目標を放棄し、23円の引上げで時間給789円とする答申をするにとどめたため、乖離額は、なお43円にも及んでいる。

時間給789円でフルタイム(1日8時間、月22日間)働いたとしても、月額賃金は13万8864円、年収166万6368円にしかならない。先進諸外国と比較しても、わが国の最低賃金は最も低い水準に位置し、相対的貧困率(可処分所得が中央値の50パーセント未満である人の割合)も高位に位置する。現役世代の中で相対的貧困ラインを下回ってしまう有業者の数の多さ、換言すれば、働いているにもかかわらず貧困に陥ってしまう「ワーキングプア」の多さが、我が国の際だった特徴である。

それ故、最低賃金の引上げは依然として緊急の課題である。

中央最低賃金審議会における最低賃金改定の論議を受け、今後神奈川地方最低賃金審議会において神奈川県の地域別最低賃金が定められることとなっている。

改正最低賃金法が求めているのは、生活保護に係る施策との「整合性」であり、決して生活保護と「同一水準」にとどまるものではない。神奈川県の地域別最低賃金は、直ちに生活保護水準との「逆転」が解消されなければならないことはもちろん、生活保護水準を大幅に超えるよう引上げられるべきである。

以上


2010年(平成22年)7月8日
横浜弁護士会
会長 水地 啓子

 
 
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