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訴えてやる!...でも、どこに? |
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2025年09月10日更新その他
私は横浜市中区在住です。川崎に住んでいる知人に50万円を貸したのですが、返してくれません。最近は連絡しても回答がないので、裁判を起こすことにしました。弁護士には依頼せず、自分で調べて訴状などの書類は準備したのですが、裁判所にも地方裁判所と簡易裁判所とがあるみたいで、どこに書類を持っていけば良いのか分かりません。
どこの裁判所で裁判を行うかというのを、「裁判管轄」と呼びます。訴訟を提起するときには、裁判管轄を有する裁判所に対して行わなければなりません。
まず、金銭の請求などの一般的な民事訴訟は、請求金額によって地方裁判所か簡易裁判所かに分けられます。個別の事情による例外的な取り扱いはありますが、基本的には請求金額が140万円を超える場合には地方裁判所、140万円以下の場合には簡易裁判所がその事件を管轄することになります(事物管轄)。
次に、「どこにある裁判所に訴訟を提起するか」を検討する必要があります(土地管轄)。原則として、被告(裁判の相手方)のいる場所に管轄があります。それ以外にも、お金の支払を求める裁判では支払をすべき場所、不動産に関する裁判ではその不動産のある場所、不法行為に関する裁判はその行為があった場所の裁判所にも土地管轄があります。したがって、複数の裁判所に土地管轄が認められるケースもあり、そういう場合には原告が手続を進めるにあたっての便宜などからどれか一つを選択することになります。
ただし、このようにして訴訟を提起しても、裁判所の判断や被告の申立てにより、別の裁判所に事件が移されることもあります(移送)。
今回の件は、まず、請求額が50万円ということのようですので、簡易裁判所に事物管轄があります。
土地管轄については、被告の住所地のほか、お金を貸した時に返済方法について特段の定めがなければ、貸主である原告の住所地にも管轄が認められると考えられます。
したがって、作成された訴状などの書類は川崎簡易裁判所または横浜簡易裁判所に提出すれば良いということになります。
ちなみに、離婚や相続などの事件は地方裁判所や簡易裁判所ではなく家庭裁判所が管轄することになります。また、訴訟ではなく調停や審判など別の裁判手続の場合には、上記とは異なる裁判所に管轄が認められることもあります。
疑問や不安がある場合には、適宜弁護士等にご相談ください。
関連情報
回答者情報
弁護士名 | 黒江 卓郎 |
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事務所名 | 木村・黒江法律事務所 |
事務所住所 | 神奈川県横浜市中区尾上町1-4-1関内STビル6階 |
TEL | 045-681-9424 |
Webサイト | https://yokohama-kimuralaw.jp/ |
こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です