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会長声明・決議・意見書(2004年度)

住民基本台帳法の改正を求める会長声明

2005年03月23日更新

住民基本台帳法第11条1項は、何人でも住民基本台帳記載の住所、氏名、生年月日及び性別の基本4情報を閲覧できるとしており、この規定に基づき、全国の市区町村ではダイレクトメール業者や教材販売業者などが大量の住民の情報を閲覧して記録し、ダイレクトメール送付や勧誘に用いており、市民のプライバシーの観点から問題とされている。また、今月には、この制度を利用して母子家庭を調べた男が母親の留守に侵入して児童にわいせつ行為を繰返していた事件が発覚し、プライバシーにとどまらず、市民の安全すら脅かされる事態になっている。

住民基本台帳法は、「不当な目的によることが明らかであるとき」などには閲覧請求を拒めるとしているが、自治体の現場では不当な目的であることを確認することは困難である。各自治体では、費用を高めに設定したり、閲覧者数を制限するなどして濫用を防止しようと努めているが、法が原則公開をうたっている以上限界がある。

昨年、自治体で構成する全国連合戸籍事務協議会は、総務大臣に対し、住民基本台帳の基本4情報の公開原則を改めるよう求める要請をし、全国市長会も同趣旨の重点要望を決議している。住民基本台帳を管理している自治体も困惑していることがうかがわれる。

本年4月1日より、個人情報の保護に関する法律が全面施行される。公私の団体を通じて個人情報保護の徹底が求められる現在、個人情報の基本となる前記4情報が公開されるには十分な理由と必要性を要件とすべきであり、このような観点から速やかな法改正をすべきである。
 


2005年(平成17年)3月23日
横浜弁護士会
会長 高橋 理一郎

 
 
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